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「編者まえがき」

by 半空文学賞

 だいそれたことじゃなくて、ささやかな、その人だけのエピソード。ポツリポツリとこぼれてくる話。それらがぼくのこころにずっと残っているし、また求めてもいる。

 学生時分まいにち乗っていたことでん。ぼくが勝手に「ことでんビート」と名付けていた、生き物のような車両のリズム。レコードやセピア写真のようなあたたかい電車。

 このふたつを文学でつなげたら素敵じゃないか、と思いついてことでんに掛け合ったところ、なんともアッサリ賛同してくれ、あれよあれよというまに話が進んでいった。

 第三回半空文学賞として募集したことでんにまつわる小説は県内外からたくさんの作品が集まった。文学賞の実行委員をはじめ、ことでん真鍋社長にも協力してもらって、ぼくたちが電車のイスに座って読んでいる気分で特に印象に残った作品をここに掲載させていただいた。手にとった人たちの思い出のひとつになるよう祈りをこめて。あ、乗り過ごしにはご注意くださいね。

半空 岡田陽介

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